天橋立 ― 天へと続く松の道

風景

宮津湾と阿蘇海を隔てるように横たわる砂州に、青黒く連なる松並木。その姿は、まるで天に架かる橋のように見えることから「天橋立」と呼ばれてきた。

天橋立

空の光を映して淡く揺れる海と、松の濃い緑との対比は、いつ見ても静かな調和を感じさせる。遠くの山々は霞んでいて、その奥行きが景色に深さを与えている。

天橋立

古くから人びとは、この景色を「股のぞき」で逆さまに眺め、天へと通じる道を思い描いてきたという。実際に目にすると、ただの風景以上のものを感じる。不思議と心が澄み、歩みをゆるめてしまうような場所だ。

天橋立

この橋立の松の下を歩けば、潮の香りと砂の感触、木々のざわめきが入り交じり、時の流れも少しだけ穏やかになる気がする。

――まるで、日常の中にふいに現れる夢の道のように。

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