特別な塩が決め手!吹田で味わう至福のロースかつ膳とカツサンド

かつアンドかつ 紫金山公園店 グルメ
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かつの香りに誘われて

夕方の空が少しずつやわらかくなるころ、電車を降りて、いつもの帰り道をすこしだけ逸れてみた。 このところずっと、じんわり揚がったロースかつが恋しかったのかもしれない。 まるで導かれるようにたどり着いたのは、吹田の紫金山公園近くにある「かつアンドかつ」。 特別な日じゃない、ただの水曜日だったけれど、なぜか今日は、あの香ばしさと静かなごちそう感に触れたかった。

ただいまと言いたくなる、ロースかつ膳

席に腰かけ、麦茶をひと口。まだほんのり汗ばんでいた額に、ふうっと涼しさがしみる。 ほどなくして目の前に現れたのは、見事な黄金色の衣をまとったロースかつ。 かつアンドかつ 紫金山公園店 思わず「きれいだなあ」と口に出してしまうほど、整っている。 箸でそっと持ち上げると、サクッと音がして、中からほんのりピンク色の断面が顔をのぞかせる。

なにもつけずに、まずはひと口。 カリッと軽やかな音のあとに、じゅわっと広がる脂の旨み。 だけど決して重たくない。不思議なほど、すっと体になじむ。

ふと、卓上の「特別な塩」に手をのばす。 ひとつまみ、ふわっとかけてもう一度。…ああ、これだ。 脂の甘さがぐっと引き立ち、まるで別の顔を見せてくれる。 丁寧に火が入り、衣の厚みもきっちり整っていて、シンプルだけど、だからこそごまかしが効かない。 これはきっと、手間と時間を惜しまない味。

添えられた千切りキャベツのしゃきしゃき感も嬉しい。 お味噌汁も、しみじみとあたたかく、ふうっと息がほどけていく。 なにひとつ派手じゃない。でも、心の隅まで沁みていくような膳だった。

カツサンドは、やさしい思い出の味

ロースかつ膳を堪能したあと、どうしても気になって追加したのが、カツサンド。 かつアンドかつ 紫金山公園店 ふっくらと焼かれたパンに挟まれたカツの厚みに、まずはわくわく。 添えられたポテトの香りも相まって、どこか懐かしさがこみあげてくる。

手にとってみると、しっかりとした重み。 食パンはやわらかく、それでいてしっかりと中のカツを受け止めている。 甘辛いソースがじんわりと染みていて、その断面を見ているだけで、子どもの頃のピクニックを思い出した。

ひと口かじるたびに、心にぽつぽつと“おいしい記憶”が灯っていくよう。 そっと添えられたポテトも、揚げたてでホクホク。 塩加減が絶妙で、これは…あぁ、間違いなくビールがほしくなる味。 でも、今日はこのままゆるやかに帰り道を歩こうと思う。

“ごちそう”って、きっとこういうもの

「かつアンドかつ 紫金山公園店」は、看板も控えめで、内装も奇をてらってはいない。 けれど、ひと皿ひと皿がちゃんと語りかけてくるような、そんな店だった。

肩肘張らずに入れるけれど、気づけば背筋がすっと伸びているような。 何気ない今日が、ちょっと特別に感じられるような。 そんな「少しだけ贅沢な、日常のごちそう」を届けてくれる場所。

帰り道、夜風が頬をなでていく。 満たされたおなかと、ほんのり残る香ばしいかつの余韻。 また来よう、なんでもない日に。

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