二回目の訪問というのは、ちょっと特別な響きがある。
一度目は探り探りで、その店の空気を確かめるように箸を進める。二度目になると、もう少し肩の力を抜いて、ああここはこういう味だったな、と懐かしさにも似た安心が混じる。
花園の「ラーメン親爺」。
のれんをくぐると、じんわりと漂ってくる醤油の香りがすでに濃厚で、外の風景と中との境界をくっきりと分けてくれる。漆黒のスープに映るネギの緑と、こんもりと乗せたおろしニンニク。ひと口すすれば、香ばしさの奥にほのかな苦みと甘みが折り重なっていて、胃の奥からじわっと広がってくる。
ブラックという名のとおり、見た目は濃いのに、不思議とするすると食べ進められる。にんにくを溶かし込むと、さらに輪郭がくっきりして、昼下がりの道に差す影のように味が深まっていく。
一度目の驚きよりも、二度目の落ち着きのほうが、心に長く残る気がする。
次はいつ来ようかと、食べ終わったその瞬間から、もう次の約束をしてしまっているような気分になる。
――花園ブラック、やっぱりクセになる。

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