駆け上がる空の下で

駆け上がる 風景

石の階段を、子どもたちが夢中で駆け上がっていく。
一段、一段、足音が軽やかに響いて、空に近づいていくような気配がした。
駆け上がる
ふと立ち止まれば、息が切れて胸がどきどきする。けれども、それさえ楽しくて、前を行く背中を追いかける足は止まらない。
駆け上がる
頂に着いたとき、雲の粒がぎっしりと敷き詰められた空が広がっていた。
ただそれだけの景色なのに、なぜか胸がすっとほどけていく。
駆け上がる
駆け上がることそのものが、もうごほうびだったのだ。

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