夜の京都タワー。
真っ暗な空に浮かぶように立っている姿は、街の灯りとはまた違う、ひとつの星のようだ。
白、赤、青の光が塔を彩り、遠くからでもはっきりとその存在を主張している。だけど、近づいて見上げると、不思議と静けさをまとっているように感じる。
ガラスに映り込む姿もまた別の顔。まるで水面に映る月を眺めるように、少しゆらぎのある美しさを見せてくれる。
人の流れが途切れない京都駅前で、ただ黙って立ち続ける塔。
旅立ちや帰り道の目印になりながらも、誰に媚びることなく、夜ごと同じ光を放っている。
見上げるたびに、変わらないものがここにあることに、少しだけ安心するのだ。