ふと足元に目をやると、静かに風に揺れるねむの木の花。まるで繊細な羽毛のように、淡いピンク色と白の糸がふわりと広がり、初夏の光をやさしく受け止めています。こんなに柔らかな表情を見せてくれる花は、なかなかありません。
ねむの木の花を初めてじっくり眺めたとき、その不思議な美しさに思わず時間を忘れてしまいました。遠くから見ると控えめな印象ですが、近づいてみると一本一本の細い糸が繊細に重なり合い、まるで自然が描いた芸術作品のようです。朝露に濡れた花は、さらに透明感が増し、まぶしいほどの輝きを放っています。
ねむの木は夜になると葉を閉じて眠ることから、その名がついたと言われています。昼間にふんわりと広がる葉や花を見ると、なんだか「おはよう」と語りかけてくれているような気分になります。忙しい毎日の中でも、こんなやさしい光景に出会うと心がすっと軽くなり、「今日も頑張ろう」と背中を押してもらえる気がします。
背景に広がるやわらかな緑と、遠くにぼんやりと見える山や町並み。その全てが、ねむの木のふんわりとした花を引き立て、季節の移ろいを静かに教えてくれます。自然の中で一息つく時間、そよ風に揺れる花を見ながら過ごすひとときは、何よりも贅沢なリフレッシュです。
もし、ねむの木を見かけることがあれば、ぜひ足を止めてじっくり眺めてみてください。小さな発見と、やさしい癒しをきっともたらしてくれるはずです。
