ひんやりとした風が、Tシャツのすそをふわりと揺らす午後。
今日はほんの少しのお出かけ。
特別な場所じゃないけれど、夏の思い出には、こういう「なんでもない日」がいちばん似合うのかもしれない。
道路沿いにぽつんと立つ、パラソルの下の小さなテーブル。
そこに並んでいたのは、カラフルなスムージー。
赤、白、黄色……透きとおる氷とフルーツの層は、スプーンを入れるのがもったいないほどきれい。
スイカかな、ももかな、パインかな。
想像するだけで自然と笑顔になる。
添えられたミントの葉が、まるで涼しげな音をたてているよう。
ストローをさして、ひとくち。
体の中をスーッと通り抜ける冷たさに、思わず「はあ〜っ」と声がもれる。
まるで夏のかけらを、少しずつすくって食べているみたい。
帰り道、立ち寄ったのは地元の道の駅のようなお店。
出迎えてくれたのは、赤いカニの帽子をかぶった黒ネコのキャラクター「ちょきにゃん」。
そのゆるさに足が止まり、つい記念撮影。
ピースをする指先にまで、のんびりした空気が漂っていた。
暑い日は続くけれど、
少し遠くへ出かけて、冷たいものを食べて、のんびり笑って。
やっぱり夏っていいな、とあらためて思う。
家に帰ったら、きっと今日はいい夢が見られる。
そんな予感がする午後。