◆細い路地の先に、知る人ぞ知る隠れ家
宮津の小道を進むと、白いのれんがふわりと揺れていた。
「海味鮮 やま鮮」。
のれんをくぐれば、出汁の香りと人の気配。
市場の中にある食堂のような雰囲気で、
看板の魚のシルエットが、もう新鮮さを物語っていた。
◆一口で心をつかまれた、極上の海鮮丼
お目当ては海鮮丼。
深い藍色の器に、透き通る切り身が美しく並び、
その真ん中には卵黄がひとつ、つややかに輝いていた。
ひと口。
まぐろやブリが驚くほどやわらかく、とろける。
臭みはなく、むしろ甘さが立っている。
ねぎのシャキシャキ、海苔の香り。
そして卵黄が全体をまろやかにまとめていた。
一杯の中に、完成された調和があった。
◆卸しのプライドを感じる、嘘のない旨さ
やま鮮は仲卸の直営。
その強みがまっすぐに伝わってくる。
鮮度が際立ち、質の高いネタを、
肩ひじ張らない価格で味わえる。
「見た目だけ」ではない、誠実な旨さ。
卸しとしての誇りが、そのまま丼の上にのっていた。
【まとめ】
「海味鮮 やま鮮」の海鮮丼は、
ただ新鮮なだけではなく、
卵黄が繋ぐ素材の調和が心をつかむ贅沢な一杯。
地元の人にも、旅人にも。
宮津の本気を感じられる味だと思う。