ちょうど日が沈んで、空がやわらかく青から紫に変わっていく時間帯。
ビルの窓が、夕暮れの名残りを拾うようにほのかに光っている。
クレーンの先端が、空の淡い色を切り取るように並んでいて、
その向こうでは、新しい街がまだ形を探している。
イチョウの枝先には、冬を迎える小さな灯り。
その下を人が歩くたび、光が少しだけ揺れて、
まるで息づいているように見える。
夕方の梅田には、特別な静けさがある。
ざわめきの中に、ほんのひとしずくの「おわり」の気配。
今日という一日が、街の明かりに溶けていく時間だ。
——この時刻の空を見上げるたび、
「まだ何かが始まりそうだ」と思う。
でも同時に、「もう十分だった」とも思う。
そんな矛盾を包み込むように、梅田の空は今日も広い。
