風景

地蔵盆が終わり、町に戻る静けさ。秋を迎える準備の気配と、なお続く夏の暑さの狭間で感じる日々を綴りました。虫の音や風の変化に、移ろう季節をそっと探ります。

お盆を過ぎても夏の熱はまだ残る。人影のない砂浜で、透きとおる波と入道雲を眺めながら、夏の余白を感じるひととき。

京都・伊根へモーターボートで向かう道すがら、山と海に抱かれた舟屋の風景に出会う。波と暮らしが溶け合う、静かな時間の余韻を綴った旅のエッセイ。

夕暮れから夜へと移ろう天の橋立。松並木に連なる灯り、町に瞬く光、展望台の賑わい。その美しさと静けさが溶け合う夜景の情景を綴ります。

日中の暑さを残したまま、夕陽に染まる海と静かな帆船。ほんのり秋の気配をまとった、移ろいのひとときを綴るエッセイ。

伊勢神宮の鳥居をくぐり、五十鈴川で手を清めるひととき。川のきらめきや大木の息づかいに触れ、心がすっと澄んでいく感覚を綴ったエッセイ。

去年、子どもの小さな手が色をのせた地蔵盆。その記憶を胸に、今年もまた白いお地蔵さまが待っている。少子化の時代だからこそ生まれる、ひとり静かに向き合う時間への期待を綴る。

精霊船に火を放ち、燈籠を海へ流すお盆の夜。花火とともに夏の幕が閉じ、秋の気配が静かに訪れる。その情景を綴った夏の終わりのエッセイ。