光をまとうすすき ― 川辺に揺れる秋の景色

風景

夕陽を受けて、すすきが光っていた。
風に揺れるたび、穂先は銀の糸のようにほぐれ、ひととき空気そのものがやわらかくほどけていく。

すすき

川面に映る光と、すすきのきらめきが重なり合い、境界があいまいになる。
水が草を照らしているのか、草が水を映しているのか。

すすき

ただそこに立ち、光を受け取っている姿は、どこか誇らしげで、それでいて静かだ。
声をかける必要もなく、こちらの心が少しずつ整えられていく。

すすき

秋のすすきは、見つめているだけで時間の流れを緩めてくれるように思う。
光る一瞬の儚さが、かえって深い安心を連れてくる。

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