潮の匂いのする屋根の町

海沿いの小さな町 風景

海沿いの町の屋根が、朝の光を受けて鈍く光っている。
瓦の一枚一枚に、潮風が積もったような気配がある。

海沿いの小さな町

遠くの山のかげはまだ薄く、海の向こうは霞んで見える。
波の音はここまでは届かないけれど、屋根の間を抜けてくる風に
ほんのりと塩の匂いが混じっている。

海沿いの小さな町

誰かが海辺で竿を出している。
静かな時間の中で、魚を待っているというよりも、
波のリズムに自分を合わせているように見える。

海沿いの小さな町

この町の時間は、少しゆっくり流れている。
屋根の光も、遠くの島影も、
見ているうちに少しずつ変わっていく。

海沿いの小さな町

それでも、どこか変わらない匂いがある。
潮と瓦と陽の光が、いつも同じように混ざり合う匂い。
そんな匂いを胸いっぱいに吸い込むと、
少し遠くに行っても、きっとまたここに戻ってきたくなる。

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