娘が揚げた旬の恵み、天ぷらうどんのひと椀

天ぷらうどん グルメ
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湯気の向こうに、やさしいだしの香りが立ちのぼる。
素うどんの潔さも好きだが、そこに娘の手で揚げられた天ぷらが並ぶと、途端に景色が華やぐ。
うどん
畑でとれた茄子やししとうは、油をまとって色艶を増し、海老はぷっくりと跳ねるように盛り上がっている。緑の薬味ねぎがちらりと顔を出すのも、涼やかな風を添える。

台所に立つ娘の背中を見ながら、こんなふうに受け継がれていくのだなと思う。味そのものだけではなく、湯気の温もりや、箸をのばすときの小さな笑顔ごと。
天ぷらうどん
ひと口すすれば、油の香ばしさとだしの澄んだ甘みが舌の上で寄り添い、体の芯までほどけていく。
それは、季節の恵みと家族の時間を、そのまま碗にすくったような一椀だった。

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